MAX2011

Adobe MAX 2011レポート:Flash Player 11とAIR 3がゲームを変える

Adobe MAX 2011から「Flash Player 11 and Adobe AIR 3: Changing the Game」のセッションレポートです。
セッションはまず任天堂の横井軍平さん(1941-1997)の話からはじまり、驚きました。ゲーム&ウォッチは、確かにゲームというものを変えたと思います。
現代、僕らが相手にしているのは、PC、スマートフォン、タブレットなどです。(講師は)リッチで、流れるような、没入感のある、素晴らしい体験を生み出すことこそが、ゲームを作るということだと考えています。FlashはもはやWeb上のゲーム機といえるでしょう。講師は「We are launching the next-generation console」と言っていました。

進化した2D、3D描画

Flash Player 11では、描画はGPUを利用するようになり、映画のようで、しかも60fpsのなめらかな描画が可能になりました。これは、Stage 3Dという技術によって実現されています。
一番下にコンピューターの画像処理を行うGPU、その上にOpen GLやOpen GL ES 2.0、DirectXが乗っています。その上にStage 3Dがあり、その上にみなさんが使うフレームワークが乗り、その上にActionScriptがあるというイメージです。

フレームワークは、2Dや3Dの処理を簡単に書くためのライブラリです。2Dのフレームワークには、Starling(スターリング)や、ND2D、ReMXなどがあります。3Dフレームワークには、Alternativa3D、Away3D、Flare3D、Minko、Mixamo、Prosceniumなどがあります。
描画速度はこれまでの1000倍以上です。では、GPUが使えない5年前のパソコンではどうするのでしょうか?Stage3Dには、GPUが使えない場合には、Flash Player 10以前のようなソフトウェアレンダリングがありますが、これも10の時より2?10倍速くなっているそうです。
なお、Stage 3DのモバイルリリースはEarly next year(来年の早い時期)ということでした。 実際にHTCのデバイスで動いているStage3Dのデモ映像が披露されました。

また、ビデオ再生もCPUをほとんど使わなくなりました。1080pビデオを30fpsで再生できます。
Stage Videoと呼ばれています。デスクトップもモバイルも、そしてiOSも対応しています。

Flash Player 11/AIR 3までに、何ができるようになったか

グラフィックス

・強力なラスター、ベクターグラフィックス
・なめらかで効率的な1080p HDビデオ
・GPUによる「本物の」3D(Stage 3D)。レンダリングは1000倍速くなった
・サイズ無制限のBitmap
・3次ベジェ曲線

入力

・ネイティブのマウス、キーボード、マルチタッチ、加速度センサーサポート
・カメラとマイクの入力
・前面カメラのサポート
・高品質なH.264ビデオエンコーディング
・ネイティブモード拡張性(Native Extension for AIR)
 センサー、マルチスクリーン、デバイスの状態、NFC(Near Field Communication)など

ロジック

・速くて、生産的な言語(ActionScript 3.0)と、VM(バーチャルマシン)
・64bitアーキテクチャ
・速くてネイティブのJSONサポート
・スムースなガベージコレクション(GC)のスケジューリング

インスタントプレイ

・Flashなのですぐ遊べる
・ウェブとAppストアで配信できる
・インスタントアプリケーションインストール(追加ダウンロードなし)
・SWFサイズを最大40%削減(LZMA圧縮)
・小さくて高品質なJPEG-XRサポート
・非同期のBitmapデコード(優れた応答性)
ほかにも、進化したダイナミックオーディオ、低遅延のP2Pマルチプレイヤーネットワーク、高品質なボイスチャットなどなど。しかしなんといっても、その一貫性と、10億人以上にリーチできるということが、Flashの最大の機能といえるでしょう。
Flash Player 11とAIR 3は今日公開されました。
45%のFlash Playerは30日以内にバージョン11にアップデートされます。年内に80%普及する見通しです。

次はどうなる?

テレメトリー、低遅延のオーディオ、並列処理、マウスの右と真ん中クリック、Molehill 2、VMの改良、言語の改良(ActionScript 3.xとか4.0とか)、マウスのデルタ(ホイールの調整)とロック、フルスクリーンのテキスト入力、JDI(Just Do Itと呼ばれる小さいがインパクトのある機能いろいろ)というキーワードが挙げられ、セッションは終わりました。
1つのセッションは60分間なのですが、本当にこれだけの内容をよく盛り込んだなと感じました。
新しい2Dと3D、フレームワークが多すぎてどれを勉強してみたらいいか分からない人には、機能、学習コスト、将来性、生産性、ライセンスなどを総合的に考えると、2DはStarling(スターリング)が、3DはProscenium(プロセニアム)がおすすめです。
さて、Flash/AIRは一体どこまで進化するのでしょうか。一連の騒動で、Flashはもはやこれまでかと感じた人も多かったことでしょう。しかし僕は、むしろFlashはやっとスタートラインに立ったところのような気がしています。
ゲーム機やネイティブアプリと変わらないようなゲームが、Flashで作れるようになりました。これまでFlashにあった、様々な表現上の制限が消えてなくなります。
そういえば基調講演のタイトルは「Creativity Unleashed」でした。まさに解き放たれた時代が訪れているように感じます。
10/14訂正:
スターリンじゃなくてスターリング、プロセニウムじゃなくてプロセニアムと読むのが正しそうです。お詫びして訂正いたします。


Author

  • Shuichi Ishikawa
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  • MikasaHideyuki
    Hideyuki MikasaHideyuki
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Shuichi Ishikawa
執行役員/インタラクションデザイングループ

フロントエンド開発からクラウドサーバー構築まで、新しいことに興味がありすぎて時間が足りない制作部門リーダー。Adobeインフルエンサー。九州芸術工科大学→ドリームキャスト→サーバーサイド→フロントエンド→執行役員→早稲田大学大学院→Kinect v2

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