Adobe MAX 2011レポート:基調講演

2011.10.04

Shuichi Ishikawa
昨年に引き続き、ロサンゼルスで開催されているAdobe MAX 2011に参加しています。
この記事は、基調講演を現地で聞いて印象に残ったものをまとめたレポートです。

Adobe Creative Cloud(アドビクリエイティブクラウド)

クラウドというと単にサーバーやシステムのような印象ですが、クリエイティブサービス、クリエイティブコミュニティ、クリエイティブアプリを総称した名称です。


「アプリ」の定義には、今回発表されたツール類だけでなく、従来のCS各製品も含まれています。アドビのアプリケーションは箱をたくさん買っていた時代から、購入してダウンロードする時代になりました。やがてダウンロードさえしなくなるのかもしれません。

1. クリエイティブサービス

20GBという容量のストレージ、Business Catalystに加え、Webフォントを提供するフォントサービス、個人でも電子出版ができるAdobe Digital Publishing Suite Single Editionが発表されました。
フォントサービスのtypekit.com(アドビ社はTypekit社を買収しました)では、ブラウザごとの見え方の違いを確認する機能も紹介されていましたが、日本語フォントのサービスは容量や権利の関係からなかなか実現が難しいのではないかと思います。でもぜひやって欲しいですね。

2. クリエイティブコミュニティ

例えば、PSDをクラウドに上げて、ウェブ上でレイヤーをON/OFFしたりできる、共有のためのサービスのようです。ファイルをアップロードして、誰かがダウンロードするという共有もどきのやり取りがなくなり、常に簡単にクラウドサーバーとだけ同期できるようになるということでしょうか。

3. クリエイティブアプリ

Adobe Touch Appsというアプリケーション群が発表されました。すでに発表されていた、Adobe Ideas、Adobe Carousel(カルーセル)に加え、カラーパレットの共有サービス「Adobe Kular(クーラー)」、ポートフォリオを管理する「Adobe Debut(デビュー)」、画像をコラージュする「Adobe Collage(コラージュ)」が発表されました。どれも、タッチインターフェイスならではの工夫がされており、かつクラウドを利用することが前提のものになっています。直感的に作業した結果を、デスクトップにもってきたり、その逆が簡単に行えるようになっています。

プロトタイプ作成ツール「Adobe Proto」

また、Webページのプロトタイプ作成を補助する「Adobe Proto(プロト)」も発表されました。指で波線を描くとダミーテキストが、4つの指でタッチして縦に線を引くとメニューバーが、Zの文字を描くと画像エリアが、再生マークを描くと動画プレイヤーが現れます。あとはサイズや位置を変更するだけ。タッチ操作ならではの直感的な操作で、「とりあえずこんな感じのレイアウトにしてみようか」というアイデアをすぐ形にできそうです。
お決まりの要素をいかに簡単にならべられるかというところに特化していて、個人的には非常に可能性を感じました。おまけ機能(?)として、HTMLも書き出すことができ、もちろんDreamweaverで見ることもできます。


最後に、Photoshop Touch。筆圧感知可能なペン付きのサムソンの新タブレットでデモされたので、これはもしや昨年に引き続き全員にプレゼントかと思いましたが、そんなことにはなりませんでした。代わりに、Adobe Creative Cloudの1年無料権が参加者全員に配られると発表され、基調講演は終わりました。
果たしてプロのデザイナー、エンジニアののワークフローを劇的に変えるような発表があったかというと、今のところちょっと分かりません。しかし、アドビがクラウドと真剣に向き合っていることが分かり、ほっとした気もします。これからのさらなる発表に期待したいところです。

Neuromagic Labsの新着記事