片隅のコンテクストデザイナー #2 「何をする人なんですか?」

2019.09.10

深淵覗子
何を受けて、何を作るのか

世界の片隅でコンテクストデザインの価値を唱える連載、第2回です。
コンテクストデザインとは、「ユーザーにとっては当たり前に心地よく、送り手にとっては目的を果たせるサイト」の流れを設計すること、でしたね。
今回は、一般的なウェブサイト制作フローにおけるコンテクストデザインの役割についてお話しします。
※プロジェクトの性格や条件によって千差万別ですが、ここではキャンペーンサイトやLP(ランディングページ)、ブランドサイトなどの制作を想定することにします。コンテクストデザインは、比較的短い時間でユーザーの気持ちをつかんだり態度変容を促したりする状況において、より重要度が高くなるためです。

ユーザー体験を「どうやって実現させるか」担当

「ユーザーエクスペリエンスの5段階」という、古典とも言えるモデルがあります。

  1. 戦略!(このサイトで何を成し遂げたいのか?誰に向けて?)
  2. 要件!(何を仕掛けてそれを成し遂げるか?条件や制限は?)
  3. 構造!(情報・コンテンツはどう組み立てられるか?)
  4. 骨格!(各ページにおいて、どんな流れで見せていくか?UIは?)
  5. 表層!(情報を正しく届け、与えたい印象を与えるためのコピーやビジュアルは?)

コンテクストデザインがこれらのうちのどの段階かというと、一箇所に絞るのは難しく、「2からほんのり、3・4深め、文言表現という意味では5も」と言えます。
※あくまで弊社の場合です。

コンテクストデザインの検討時には最低限下記がインプットされるべきです。

  • サイトの目的
  • ターゲットと彼らのニーズ
  • コンテンツ企画の大枠

例えば・・

例題1■
20代社会人に、初めて加入する保険として保険商品を売り込みたい。キャラクターを使ったSNS展開で認知を広げ、ランディングページで保険の基本情報から商品特性までわかりやすく解説する

<コンテクストデザイナーのミッション>
キャラクターに惹かれて訪れたユーザーに、いきなりカタログを並べて見せても絶句され、直帰されてしまう。「キャラクターかわいい、おもしろい」から、保険商品の詳細に興味を抱かせ、資料請求までしたくなるようにさせるには、どんな橋を作る必要がある?
さらに可能なら、そもそも保険の良さや選び方について、十分に理解してもらった上で選んでもらいたい!どんな流れなら、このターゲットがそれを読みたくなる?

例題2■
化粧品ブランドのリブランディング。新セレブリティや新パッケージを少しずつチラ見せすることで期待感と話題を最大化したい

<コンテクストデザイナーのミッション>
「チラ見せ開始」と「最終発表というゴール」の2つが話題の山になりつつ、継続して訪れてくれるように、各フェーズの構成を工夫。また、最終的な目的は新ブランドイメージの訴求なので、「チラ見せの仕方」と、新しいブランドイメージに齟齬がないように、見せ方や文言のトーン&マナーを設定すること。(ビジュアルのトーン&マナーももちろん大事!アートディレクターさんと一緒に考えます)

などなど。

「ユーザー体験」を少しずつ形にしていく人たち

ユーザーに話しかける最初の人

インプットを元に、下記をバシバシと(時に悶々と)進めます。

  • 表現コンセプト(そのサイトで与えたい印象、あり方、クリエイティブの枠組み等)を文字にする
  • そのサイトでどういう態度変容を促したいのかを整理して、そのための流れを組み立てる
  • まとめたコンセプトを元に、主なコピーを開発する
  • プランをコンテンツとして具現化する。その過程でプランの詳細を詰める

コンテクストデザインの実体は、「戦略」を意識しながら、「コンテンツ企画」を具現化する作業です。
言い換えると「アイデアを、ユーザーが目にする情報に変換していく」ことです。
コンテンツ企画までは、話しかけている相手はクライアントや広告代理店の担当者ですが、コンテクストデザイン以降、相手がエンドユーザーになります。
これ、制作フローにおいて結構大きな変換点だと思います。

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