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Aero、私にもできるかも!【#AdobeMAX 2020レポート】

2020.11.19

クメ

デザイナーのクメです。
今年ののAdobe MAXはオンラインで開催されました。現在、一部を除きほぼすべてのセッションの動画が公開されています。
今回はARの制作が簡単にできてしまうというツール、Adobe Aeroについてレポートします。

普段Photoshopをメインとした2Dでのデザイン業務をしている私ですが、Aeroをマスターしたらデザイン提案の幅も広げられるかもしれないという期待を胸にいつくかのセッションを視聴しました。
このブログ記事ではセッションを見て学んだ事、考えた事、ちょっとしたアイデアなどを交えながら執筆していきたいと思います。

サブMV

ARとは?

近ごろARを使った商品のプロモーションをよく見かけるようになってきました。
だいぶ身近になってきたこの技術、今後もますます利用される機会が増えてくるのではないかと思います。
そもそもARとはなんだろう?私の疑問はそんな初歩的なところから始まりました。よく耳にするVRとはどう違うのか・・?
これについては、セッション「はじめてのAR - デザイナーのためのAdobe Aero - S9031」の中でわかりやすい解説がありました。

各技術の違い

AR 拡張現実 現実の世界に仮想のオブジェクトが入ってくる。
(ポケモンGO、SNOWなど)
MR 複合現実 仮想のオブジェクトを操作したり、他の人と共同作業ができる。
(Microsoft HoloLens)
VR 仮想現実 仮想の世界の中に自分が入っていく。
(PlayStation®VR、Nintendo Labo Toy-Con 04: VR Kit など)
没入度

身近に思い浮かぶのはゲームの世界ですよね。3つの技術を一つのものさしで計るとしたら「没入度」がキーワードになってくるようです。
仮想世界への没入度でいうと、AR→MR→VRの順に高くなっていくんですね。
3つの技術の中でARは没入度が一番低いですが、スマホやタブレットが1つあれば簡単に体験できるのがメリットです。またARの制作から公開もAeroであればスマホのみで完結します。
Aeroを始めるのに特別な機械は必要なく、スマホ(モバイルはiOSのみ。デスクトップ版は現在ベータ版でWin,MacともOK)にアプリ(無料)をダウンロードすればOK。これで今すぐAR開発が始められるなんて驚きですね!

AeroでARを作成する流れ

ざっくりと以下の4ステップとなるようです。

  1. アンカーを設定する
  2. オブジェクトを配置する
  3. インタラクションを設定する
  4. 作品を公開する

アンカーとは舞台のようなもの?

アンカーを設定するところからAR制作は始まるのですね。
このアンカーとはいったい?

アンカー
AR コンテンツの配置に使用できる、指定された「トラッキング可能」な点またはエリア。 
(Adobe Aero「AR用語集」より)

そしてこの「アンカー」に設定できるものは2種類あるようです。

  • サーフェイス 平面をアンカーに設定できる(壁や床)
  • 画像 特定の画像をアンカーに設定できる(商品パッケージや名刺などに印刷されたマーク、ロゴなど)

なるほど、Aeroがスマホ画面内にこのアンカーを認識するとそこに3D(2D)オブジェクトが出現するという訳なんですね。舞台みたいなものですかね。

アンカーの説明画像:「Adobe Aeroで拡張現実を作るためのクリエイティブなアイデア - S6704」より
Aeroがサーフェイスを検出したところ。(こちらの動画の4分25秒あたりから参照)

最近、商品を購入するとARコンテンツを楽しめるというプロモーションが身近にたくさんありますよね。
例えば、私が先日購入した森永乳業の「ピノ」。商品パッケージ自体がアンカーになっていて、スマートフォンのAR機能を利用して画面に写すとオリジナルのデザインパッケージが作れるという期間限定の企画が展開されていました。
アンカーとして画像を設定するのはアイデア次第で色々とおもしろい事ができそうだなと思いました!

🌟 Kume’s プチアイデア
謎の記号が書かれた手紙にスマホをかざすとARオブジェクトが出現して内容が判明するというものはどうでしょうか?
牛の画像をアンカーにして年始のご挨拶なんていうのもこれからの季節にぴったりかもしれません(?!)

オブジェクトは何にするか

そもそも普段は2DのデザインをしているからARに必要な3Dオブジェクトの作成なんて難しそう・・というのが最初に感じた事でした。でもこの懸念はいったん忘れてもよさそうです。
Aeroの中にはスターターアセットとして215種類ものアセット(=素材)が入っていて、私のように3D制作の知識がない人はすでに用意されたモデルを使うと手軽に始めらそうです!
こちらはデスクトップ版Aeroの画面キャプチャーなのですが、左のパネル部分を見てください。こちらにおもしろい素材がたくさんありますね。
img 01

それと素材の調達先として他にもいくつか紹介されていました。

  • Adobe Stock
    有料のものがほとんどだが、無料の素材も提供されている。
  • Dimension
    2Dと3Dアセットを簡単に合成することができるAdobeのデザインツール。こちらにも3Dスターターアセットがあるので様々なモデルを組み合わせて、Aeroに持ってきて使用することができる。
  • Mixamo
    3DキャラクターにアニメーションをつけることができるAdobeのサービス。キャラクターは71種類ほど用意されていて、モーションデータもたくさん入っている(現在2496種類)。キャラクターを選んだら動きをつけてAeroに持っていくことが可能。

2DオブジェクトでもOK

また、JPEG、PSD、SVGなどのファイル形式を読み込むことができるようで、普段使い慣れているIllustratorやPhotoshopで作成したデータを素材として利用することも可能です。
セッション「Adobe Aeroで拡張現実を作るためのクリエイティブなアイデア - S6704」では2D素材を利用した面白いAR作品が紹介されていました。アイデア次第で今持っているスキルでも十分面白いものを作れるという事に気付かされます。
こちらの動画の5分20秒あたりからが必見!)

2Dの例画像:「Adobe Aeroで拡張現実を作るためのクリエイティブなアイデア - S6704」より
平面的なレイヤーを何層にも重ねて配置している

🌟 Kume’s プチアイデア
子供達の描いた絵をスキャンしてAeroに取り込んでバーチャル展覧会はどうでしょうか?
学校行事もコロナにより中止や延期といった状況になっている今だからこそこんな企画もいいかもしれません。

インタラクティブ機能

セッション「Adobe Aeroで拡張現実を作るためのクリエイティブなアイデア - S6704」の中ではインタラクティブ機能についてもたくさんのアイデアを紹介していました。(11分25秒あたりから参照)
オブジェクトにトリガーを追加して動きを付け加えるとより楽しいものが作れますね。
例えば、オブジェクトをタップするとスピンして消えるといった動きも簡単につけられます。この時同時にアクションを加えることも可能で、スピンするときに効果音を鳴らすといった事もできます。
効果音については、セッション「Interactivity in AR: Using Sound and Animation in Adobe Aero — Part 1」で詳しい解説がされています。(こちらの内容は中級者向けといった感じでちょっと難しかったですが、)音があるとリアリティが全く違ってくるなと感じました。

サウンドを付けている画像:「Interactivity in AR: Using Sound and Animation in Adobe Aero — Part 1 - L6712a」より
木のオブジェクトに近づくと小鳥の声のサウンドが鳴る(こちらの動画の13分20秒あたりから参照)

🌟 Kume’s プチアイデア
タップするとオブジェクトが消えるというインタラクションを利用して、AR「かるた」なんでものを作ったら、今どきのお子様も楽しみながら言葉を覚えられそうですね。

公開するには?

ワンクリックで共有リンクを取得してそれをSNS等でみんなに知らせればOKです。手軽ですね。
(見てもらう側のスマホにもAeroが入っている必要があるのでそこだけ気をつけないといけません。)

アーティストによるセッション

Aeroでみんなどんな作品を作っているのか気になりますよね。
個性豊かなアーティストたちのセッションも公開されています。

🌟 おすすめセッション
JOYから学ぶイマーシブな創造力:アドビのARツールとVRツール - S6705
アドビの3DツールとARツールを活用し、XR革命に備える - S6706

ちなみに彼らの制作には「Medium」というツールが使われています。こちらは今年に入ってからAdobe製品の仲間入りをしたバーチャル造形ツールです。動画ではVRゴーグルで仮想の3Dオブジェクトを制作している姿を見ることができます。
実に興味深い映像です。未来を感じます。というか、もうこんな事までできる時代なのですね・・・

最後に

私も試しにAeroでARを作ってみました。素材は以前自分でイラストレーターで作成した既存のSVGです。
動画で紹介している手順通りにやったら何にも難しい事はなかったです。本当に簡単ですので興味のある方はぜひやってみてください!すべてスマホ上で作業可能です。
また今後さらにAR、MR、VRを組み合わせたXRという技術も出てくるようです。一体どうなってしまうのかワクワクしますね。無限の可能性を感じます。
Adobe Aero、始めるなら今かもしれません!

今回視聴したAeroに関するセッション一覧