
アイコン作成もかんたん。【iPad版Illustrator】でデザインがもっとラクになる!
2020.12.01

2020年10月21日にiPad版Illustratorがついに正式リリースされました。実際に触ってみて、プロのデザイナーも本格的に使える感触を得まして、更には仕事の仕方や効率が変わる気がしています。
Webデザイナーのがいとです。
2020年10月21日にかねてから予告されていたiPad版Illustratorがついに正式リリースされました。実際に触ってみて、プロのデザイナーも本格的に使える感触を得まして、更には仕事の仕方や効率が変わる気が!しています。リビングで(またはカフェで、旅先で)ソファに座りながらペンでデザインできてしまう時代がついにやってきました👏
今回はお絵かき感覚で本格的なアイコンを作ってみました。それをベースに「ざっくりこんなことできる」をご紹介し、どんな活用ができるか考察してみます。(詳細な使い方は動画が分かりやすいので、ページ下部におすすめチュートリアルのリンクを記載しています。)
iPad版Illustratorとは?
iPad版Illustratorは、Apple Pencilで操作するiPad専用アプリです。従来のIllustrator(デスクトップ版)は長年プロのデザイナーが使用してきたデザインツールで、ベクターベースの鮮明なイラスト、タイポグラフィ、紙面レイアウトなどが得意です。それらをiPad + Apple Pencilで作れるようになったというわけです。
Illustratorが含まれるAdobe Creative Cloud プランに加入していればすぐ入手できます。またAdobe IDを作成し無料体験版を試すことができます。旧世代のiPadは対応してないものがあるのでAdobe公式情報をご確認ください。
Illustrator(デスクトップ版)は操作が複雑でとっつきにくいところがあるのですが、今回リリースされたiPad版はかなり直感的に使えるようデザインされており目を見張りました。デスクトップ版ではマウスとショートカットキーを駆使して操作しますが、iPad版はApple Pencilでの操作に最適化された独自UIで操作することになります。多少のラーニングをして慣れれば、手書き感覚でデザイン作業ができてしまいます。
何ができるの?
iPad版Illustratorでの作成が向いているもの
- ベクターベースのオブジェクト
- イラスト
- アイコン
- パターン画像
- ロゴ
- タイポグラフィ
- 簡単なポスター、名刺、フライヤーなどは作れそうな予感
- その他アイデア次第!
(現時点で)向かないもの
従来のPSDデータを貼り込んだりはできないですし、iPadのパワー不足で落ちるなんてこともたまにあるので(iPadのスペックによりそう)、入稿前提の高解像度写真を多用したグラフィックデザインなんかは従来のIllustratorで作業が良いと思います。またオブジェクト数や情報量が多く、かつ精密な操作が必要になる作業は、iPadの入力インターフェースはまだ発展途上かなあと思ったりもします。(2020年11月現在)
iPad版Illustratorで作ってみた
ということで、こんな感じのアイコンを作ってみました。
1.手書きでラインアイコンを作成
ペンツールで左側を描いてから、リピート機能の「ミラー」で右側を自動生成します。多少ガタついても「パスを単純化」や「スムーズに切り替え」機能で滑らかな曲線に簡単に調整できます。もちろんアンカーポイントのハンドルを調整して細かく調整することもできます。
線の太さを調節して雰囲気を変えてもいいですね。
2.カラーの塗りアイコンに
上記アイコンの塗りと線を反転し、色をつけていきます。「シェイプを結合」を使ってオブジェクトの形状を整えます。「合体」や「交差」のプレビューが表示されるのが親切です。
3.フリーグラデーションが簡単楽しい
更にグラデーションを加えてみます。特におすすめなのが線形グラデーション・円形グラデーションの右にあるフリーグラデーションです。好きなところにポチポチとポイントを打って色を追加できるので、より直感的に自由度の高いグラデーションを作れます。楽しい!
右側のイラストはペンツールで白線を追加して描き込んでみました。ほどよく手描き感が出て良い具合です。
4.文字要素を載せて飾る
テキストを載せると画面が引き締まりますね。フォントはAdobe Fontsから使用できます。フォントのプレビューがリアルタイムで表示されるので選びやすいです。カーニングや行間も直感的に編集できます。アウトライン化して形状をいじっても面白いです。
5.強力すぎるリピート機能
従来のデスクトップ版Illustratorではリピート後に間隔を調整する操作は難しく、思い通りのパターンを作るのは経験と勘とトライ&エラーが必要でした。それがこの直感的なツールに大進化しています。(デスクトップ版Illustratorにも搭載予定のようです。(2020年11月現在))
放射状(ラジアル)の形状も簡単に微調整しながら作れるようになりました!👏
おまけ:Adobe Frescoと組み合わせればアナログのニュアンスが簡単に出せる
残念ながらiPad版Illustratorで作成したベクターレイヤーをFrescoで直接読み込めないのですが(2020年11月現在)、iPad版IllustratorからPNGで書き出し→Adobe Frescoに読み込み配置→レイヤーでアナログなテクスチャを追加してみました。ちょっと一手間で柔らかいアナログなニュアンスが出ました。(連携しやすいよう機能追加して欲しいな!)
こんな使い方ができそう
イラストやアイコンはiPad版で描き、デスクトップ版IllustratorやAfterEffectsなどでグラフィックデザインやモーショングラフィックを仕上げる制作工程が良さそうです。
また、iPadで撮った写真やキャプチャを貼りつけられるので、現場に出かけて撮った写真を素材にその場でデザインラフ化…のような使い方ができます。大変機動性の高いデザインツールと言えるのではないでしょうか。
iPad版Illustratorを使ってデザイン業務の生産性UP、働く場所の自由度もUP
見てきた通り、イラストなどペンで描いたほうが速度が出るデザイン素材はiPad版Illustratorが向いています。またペン入力に特化したデザインツールとして、机の前以外でデザインする働き方が開かれたと思います。まだバージョン1.0ということで、今後の進化が大変楽しみですね。
本記事はデザイナー向けの解説になってしまいましたが、初心者の方にも直感的に触りやすいツールになっています。手描きの線が“いい感じのベジェ曲線”になるのは単純に楽しいので、ぜひお試しください!
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